2022年のデビュー以来、「第4世代最強ガールズグループ」候補として走り続けてきたLE SSERAFIM。しかし近年、カムバックのたびにSNSで「コンセプトが定まっていない」「他グループに似ている」という声が上がり、議論を呼んでいます。なぜLE SSERAFIMは他グループと比較され続けるのか、その背景を整理します。
LE SSERAFIMのコンセプトの変遷を振り返る
デビュー曲「FEARLESS」(2022年)から「ANTIFRAGILE」「Sour Grapes」へと続く初期は、ダンスパフォーマンスを前面に押し出した自信と強さのコンセプトで一定の地位を確立しました。しかしその後の路線は大きく揺れ続けています。
「UNFORGIVEN」(2023年)では西洋のディスコ・ファンクを取り入れ、「EASY」(2024年)はミニマルR&Bへとトーンを落とし、「CRAZY」(2024年)ではハウスEDMとヴォーギングのクラブサウンドを採用。「HOT」(2025年)ではUKインディーデュオとコラボしたポップサウンドに転換し、「SPAGHETTI」(2025年)ではファンク・ディスコ路線へ。そして2026年4月のプレリリース「CELEBRATION」ではメロディック・テクノやハードスタイルにまで踏み込んでいます。
他の第4世代グループと比べると、その違いは明らかです。NewJeansは一貫したY2K&アーバンR&Bの個性を確立し、IVEはシグネチャーポップとオーケストラアレンジの独自の公式を築き、aespaはSFメタバースのコンセプトをサウンドにまで浸透させ、(G)I-DLEはセルフライティングのダークポップレーンに落ち着きました。LE SSERAFIMはそのどれとも異なる列に並んでいます。
これをポジティブに捉えれば「実験的で挑戦的」ですが、否定的に見れば「アイデンティティが定まっていない」という批判につながります。
「コンセプト迷走」と言われる具体的な出来事
①「SPAGHETTI」ティーザーへの反応(2025年10月)
2025年10月のカムバックティーザーでは、ホテルの部屋でメンバーがスパゲッティを食べながら奇妙なダンスをする映像が公開されました。海外ネット民からは「KATSEYEの『Gnarly』でバズったクセ強スタイルを後追いしている」という声が続出。「bratがバズったからといって、サクラに同じことができるとは思えない」などの辛辣なコメントも見られました。
②ビジュアル路線の変化への批判(2025年11月)
ビジュアルと全体的なコンセプトの方向性の変化を問う投稿が5万7,000ビューを超えてバイラル化。「LE SSERAFIMの雰囲気が以前と全く違う」「他のガールズグループとは完全に違う方向に進んでいる。普通のK-POPガールズグループのようには見えない」という声が上がり、多くは否定的な反応でした。
③Red Velvetのコンセプト盗用疑惑(2026年5月)
2026年5月の最新カムバックでも、Red Velvetの「Chill Kill」に似たコンセプトだとしてSNSで批判が拡散。「Red Velvetのように歌えないのに、Red Velvetのコピーはできない」というコメントが注目を集めました。これはLE SSERAFIMにとって日本デビューのコンセプト写真でも同様の指摘を受けた後、再び起きた比較でした。
なぜaespa・IVE・ILLITと比較されるのか
aespaとの比較:「コンセプトの一貫性」をめぐって
aespaがSFメタバースという独自の世界観をサウンドにまで一貫して反映させてきたのに対し、LE SSERAFIMは毎回サウンドとビジュアルが大きく変化します。「自分たちだけの世界観がない」という批判は、この対比から来ています。
IVEとの比較:「国内チャート支配力」をめぐって
IVEは韓国国内でエレガントなハイティーンイメージを確立し、Melonなど国内チャートを継続的に制してきました。一方、LE SSERAFIMはグローバル展開に積極的ですが、国内での絶対的な支持という点でIVEと比較され、「どちらのマーケットも中途半端」と言われることがあります。
ILLITとの比較:同じHYBEの「世代交代」問題
同じHYBE傘下のILLITが2024年デビュー後に急速にバイラルヒットを飛ばしたことで、「HYBEがLE SSERAFIMからILLITに重心を移したのでは」という憶測が広まりました。LE SSERAFIMが実績と安定したパフォーマンスで上位を保つ一方、ILLITは新鮮さと共感しやすいコンセプトで若い世代を取り込んでいます。
「迷走」か「進化」か——擁護派の見方
批判が多い一方で、LE SSERAFIMの路線変化を評価する声も存在します。
「HOT」のカムバックについては、「過去の楽曲と比べてより簡素なコレオグラフィーによってボーカルを前面に出した。従来の低音域重視から高音域重視へと転換し、LE SSERAFIMが『歌えないグループ』というレッテルに反論する内容だった」と評価する声もありました。
また2026年4月には明るくお祝い感のある新コンセプトのティーザーが公開され、「エレクトロポップとR&Bに根ざした大胆でエンパワーメント系のコンセプトで評判を築いてきたグループが、喜びと祝祭というシンプルで効果的なメッセージを打ち出す新たな側面を見せている」とポジティブに報じられています。
まとめ
LE SSERAFIMが他グループと比較される最大の理由は、「一貫したコンセプトアイデンティティの不在」に対する議論です。毎回大胆な方向転換を試みる姿勢は「実験的な挑戦」とも「定まらない迷走」とも解釈できます。
第4世代ガールズグループの中でグローバル展開において突出した実績を持つ一方、「LE SSERAFIMといえばこれ」と即座に想起されるコアなイメージがまだ確立しきれていない——そこが、今も議論が続く核心部分と言えるでしょう。今後のカムバックで、ファンと批評家の両方を納得させる独自路線が生まれるかどうかが注目されます。

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